「マイナス×マイナス」がプラスになる理由
中1で負の数を習い始めると、
なんで「マイナス × マイナス」がプラスになるの?
と思う人がいます。
これは自然な疑問です。
でも、この話は
最初から難しく考えすぎない
ほうがよいと私は思っています。
先に結論
になるのは、
数学ではそういうルールになっているから
です。
そして、そのルールは
計算全体がうまくそろうように決められています。
だから、最初の段階では
「そういうものなんだな」
とそのまま受け止めれば大丈夫です。
無理に深い意味を探さなくてかまいません。
私の考え
この話になると、ときどき
- 借金が減ると得になる
- 後ろ向きに後ろへ進むと前へ進む
- ゴミを泥棒が持っていったら得になる
のようなたとえ話が出てきます。
たしかに、そういう説明でイメージしやすくなる人もいるかもしれません。
でも、私はあまりそこを大事には考えていません。
なぜかというと、
本当に大事なのは、たとえ話ではなく、数学のルールがきちんとそろっていること
だからです。
つまり、たまたまそうなったのではなく、
そうしたほうが計算がきれいにつながるようにルールを決めている
ということです。
なので、「なぜ?」と考えすぎて止まるより、
まずは
ルールとして受け入れて先に進む
のがよいです。
最初はそれで十分
数学には、まず受け入えて使うほうがよいことがあります。
たとえば負の数でも、かけ算の符号はこうなります。
この最後だけ少し不思議に感じるかもしれません。
でも、最初はそこで立ち止まりすぎなくて大丈夫です。
「数学ではそういうルールなんだな」
まずはそれで十分です。
実際、数学ではこういうことは珍しくありません。
先にルールを受け入れて、あとから少しずつ理解が深まることはよくあります。
「意味がわからない」と思っても大丈夫
勉強していると、
ちゃんと意味がわからないと納得できない
と思うことがあります。
もちろん、それは悪いことではありません。
でも、毎回そこで止まってしまうと、かえって進みにくくなります。
特に中1の最初なら、今いちばん大事なのは
- 新しいルールに慣れること
- 符号の扱いに慣れること
- 計算できるようになること
です。
だから、この段階では
難しく考えず、そのまま受け止める
で大丈夫です。
興味がある人向けのおまけ
「それでも少し理屈を知りたい」という人向けに、少しだけ説明します。
ここから先は、今の段階ではまだ習っていない内容が少し入るかもしれません。
なので、ここは「こういう考え方もあるんだな」と読むくらいで大丈夫です。
全部をきちんと理解しきれなくても、まったく問題ありません。
考えたいのは、次の式です。
これがなぜ になるのかを見てみます。
ここで使いたいのは、かけ算を足し算に分けて考えるやり方です。
これはこのあと中学で学ぶ分配法則というルールです。
たとえば、
となります。
同じように、かけ算は、かっこの中の足し算に分けて考えることができます。
これを式で書くと、
となります。
今はまだこの名前や式を習っていなくても、
「こういうルールがあるんだな」くらいに読めば大丈夫です。
では、まず次の式を考えます。
これは、どんな数でも をかけると になるからです。
次に、 は
と書けます。
ここで、①の左辺にある を、②の右辺の に置きかえます。
このように、ある式を使って、ほかの式の中の数や文字を置きかえることを「代入」といいます。
すると、①は
となります。
次に、③の左辺に分配法則を使います。
すると、左辺は
と書けるので、③は
となります。
ここで、
という、 をかけても数は変わらないというルールを使うと、
です。
そこで、今度は④の左辺にある を、⑤の右辺の に置きかえます。
これも代入です。
すると、④は
となります。
ここで、新しく
とします。
これは、 を
を使って表す
ということです。
すると、⑥の左辺にある を、⑦を使って に置きかえることができます。
これも代入です。
すると、⑥は
となります。
⑧を見ると、 に入る数は、 を足して になる数です。
その数は なので、
です。
そして、⑦で
と表していたので、
となります。
つまり、今までの計算の決まりをこわさないように考えると、 は になるのです。
ここは少し先取りの内容なので、
「へえ、こう考えることもできるんだな」くらいで十分です。
今の段階では、まず
「マイナス × マイナス = プラス」
を計算できるようになることのほうが大切です。
まとめ
「-1 × -1 = 1」は、最初は不思議に見えるかもしれません。
でも、中1の最初なら、まず大事なのは
難しく考えすぎず、数学のルールとしてそのまま受け止めること
です。
数学は、計算がうまくそろうようにルールを作っています。
だから「マイナス×マイナス」がプラスになるのも、そのルールの一つです。
まずは素直に受け入えて、使えるようになる。
細かい理屈は、そのあとで十分です。