数学
2026.04.04

「マイナス×マイナス」がプラスになる理由

中1で負の数を習い始めると、

なんで「マイナス × マイナス」がプラスになるの?

と思う人がいます。

これは自然な疑問です。
でも、この話は

最初から難しく考えすぎない

ほうがよいと私は思っています。

01

先に結論

(−1)×(−1)=1(-1)\times(-1)=1

になるのは、

数学ではそういうルールになっているから

です。

そして、そのルールは

計算全体がうまくそろうように決められています。

だから、最初の段階では

「そういうものなんだな」

とそのまま受け止めれば大丈夫です。

無理に深い意味を探さなくてかまいません。

02

私の考え

この話になると、ときどき

  • 借金が減ると得になる
  • 後ろ向きに後ろへ進むと前へ進む
  • ゴミを泥棒が持っていったら得になる

のようなたとえ話が出てきます。

たしかに、そういう説明でイメージしやすくなる人もいるかもしれません。

でも、私はあまりそこを大事には考えていません。

なぜかというと、

本当に大事なのは、たとえ話ではなく、数学のルールがきちんとそろっていること

だからです。

つまり、たまたまそうなったのではなく、

そうしたほうが計算がきれいにつながるようにルールを決めている

ということです。

なので、「なぜ?」と考えすぎて止まるより、
まずは

ルールとして受け入れて先に進む

のがよいです。

03

最初はそれで十分

数学には、まず受け入えて使うほうがよいことがあります。

たとえば負の数でも、かけ算の符号はこうなります。

  • +×+=++\times+=+
  • +×−=−+\times-=-
  • −×+=−-\times+=-
  • −×−=+-\times-=+

この最後だけ少し不思議に感じるかもしれません。
でも、最初はそこで立ち止まりすぎなくて大丈夫です。

「数学ではそういうルールなんだな」

まずはそれで十分です。

実際、数学ではこういうことは珍しくありません。
先にルールを受け入れて、あとから少しずつ理解が深まることはよくあります。

04

「意味がわからない」と思っても大丈夫

勉強していると、

ちゃんと意味がわからないと納得できない

と思うことがあります。

もちろん、それは悪いことではありません。
でも、毎回そこで止まってしまうと、かえって進みにくくなります。

特に中1の最初なら、今いちばん大事なのは

  • 新しいルールに慣れること
  • 符号の扱いに慣れること
  • 計算できるようになること

です。

だから、この段階では

難しく考えず、そのまま受け止める

で大丈夫です。

05

興味がある人向けのおまけ

「それでも少し理屈を知りたい」という人向けに、少しだけ説明します。

ここから先は、今の段階ではまだ習っていない内容が少し入るかもしれません。
なので、ここは「こういう考え方もあるんだな」と読むくらいで大丈夫です。
全部をきちんと理解しきれなくても、まったく問題ありません。

考えたいのは、次の式です。

(−1)×(−1)(-1)\times(-1)

これがなぜ 11 になるのかを見てみます。

ここで使いたいのは、かけ算を足し算に分けて考えるやり方です。
これはこのあと中学で学ぶ分配法則というルールです。

たとえば、

2×(3+4)=2×3+2×42\times(3+4)=2\times3+2\times4

となります。

同じように、かけ算は、かっこの中の足し算に分けて考えることができます。
これを式で書くと、

a×(b+c)=a×b+a×ca\times(b+c)=a\times b+a\times c

となります。

今はまだこの名前や式を習っていなくても、
「こういうルールがあるんだな」くらいに読めば大丈夫です。

では、まず次の式を考えます。

(−1)×0=0⋯①(-1)\times0=0 \qquad \cdots ①

これは、どんな数でも 00 をかけると 00 になるからです。

次に、00 は

0=(−1)+1⋯②0=(-1)+1 \qquad \cdots ②

と書けます。

ここで、①の左辺にある 00 を、②の右辺の (−1)+1(-1)+1 に置きかえます。
このように、ある式を使って、ほかの式の中の数や文字を置きかえることを「代入」といいます。

すると、①は

(−1)×((−1)+1)=0⋯③(-1)\times\bigl((-1)+1\bigr)=0 \qquad \cdots ③

となります。

次に、③の左辺に分配法則を使います。
すると、左辺は

(−1)×(−1)+(−1)×1(-1)\times(-1)+(-1)\times1

と書けるので、③は

(−1)×(−1)+(−1)×1=0⋯④(-1)\times(-1)+(-1)\times1=0 \qquad \cdots ④

となります。

ここで、

a×1=aa\times1=a

という、11 をかけても数は変わらないというルールを使うと、

(−1)×1=−1⋯⑤(-1)\times1=-1 \qquad \cdots ⑤

です。

そこで、今度は④の左辺にある (−1)×1(-1)\times1 を、⑤の右辺の −1-1 に置きかえます。
これも代入です。

すると、④は

(−1)×(−1)+(−1)=0⋯⑥(-1)\times(-1)+(-1)=0 \qquad \cdots ⑥

となります。

ここで、新しく

□=(−1)×(−1)⋯⑦\Box = (-1)\times(-1) \qquad \cdots ⑦

とします。
これは、(−1)×(−1)(-1)\times(-1) を

□\Box を使って表す

ということです。

すると、⑥の左辺にある (−1)×(−1)(-1)\times(-1) を、⑦を使って □\Box に置きかえることができます。
これも代入です。

すると、⑥は

□+(−1)=0⋯⑧\Box+(-1)=0 \qquad \cdots ⑧

となります。

⑧を見ると、□\Box に入る数は、−1-1 を足して 00 になる数です。
その数は 11 なので、

□=1⋯⑨\Box=1 \qquad \cdots ⑨

です。

そして、⑦で

□=(−1)×(−1)\Box = (-1)\times(-1)

と表していたので、

(−1)×(−1)=1(-1)\times(-1)=1

となります。

つまり、今までの計算の決まりをこわさないように考えると、(−1)×(−1)(-1)\times(-1) は 11 になるのです。

ここは少し先取りの内容なので、
「へえ、こう考えることもできるんだな」くらいで十分です。
今の段階では、まず

「マイナス × マイナス = プラス」

を計算できるようになることのほうが大切です。

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