数学
2026.04.08

関数|中学の関数 #01

01

変換という視点から考える

「関数」と聞くと、式が出てきて急に難しく感じるかもしれません。

しかし、最初から式として理解しようとする必要はありません。
関数の本質は、もっと基本的なところにあります。

関数とは、

あるものを入力すると、一定のルールにしたがって別のものを返す仕組み

です。

まずは式ではなく、この「変換」という見方から考えてみます。

02

具体例:文字数を数える変換

入れた言葉の文字数を数えて返す仕組みを考えます。

この仕組みに Count と名前をつけましょう。

Count⁡(<ここに言葉を入れる>)\operatorname{Count}(\text{<ここに言葉を入れる>})

かっこの中に言葉を入れると、その文字数を返してくれるわけです。

  • Count⁡("a")=1\operatorname{Count}(\text{"a"}) = 1
  • Count⁡("hi")=2\operatorname{Count}(\text{"hi"}) = 2
  • Count⁡("hello")=5\operatorname{Count}(\text{"hello"}) = 5

ここで大事なのは、この変換器が気分で答えを変えたりしないことです。

"hello" を入れたら、いつでも 5 が返ります。
ある日は 5、別の日は 6 ということはありません。

同じ入力に対して、結果は必ず同じになる。

これが関数の基本的な性質です。

03

記号で短く書く

毎回「Count」と書くのは長いので、記号で表すことにします。

数学では、関数を表す文字として ff を使うことが多いので、ここでもそれに合わせます。
ff は function の頭文字です。

  • f("a")=1f(\text{"a"}) = 1
  • f("hi")=2f(\text{"hi"}) = 2
  • f("hello")=5f(\text{"hello"}) = 5

ただし、大事なのは ff という文字そのものではありません。
別の文字を使ってもかまいません。

大事なのは、

何を入れたときに、何が返るのかというルール

つまり 入力と出力の対応関係 です。

練習問題

問題

ここでは、半角スペースを _ に置き換えて表し、_ も 1 文字として数えるものとする。

f("hello_world")f(\text{"hello\_world"}) の値を求めよ。

▶解答を見る

_ も含めて 11 文字なので、

f("hello_world")=11f(\text{"hello\_world"}) = 11

04

すぐに数えなくてもよい

ここで、少し長い単語を考えてみます。

"supercalifragilisticexpialidocious"

かなり長いので、すぐに文字数を数えるのは面倒です。

しかし、この単語の文字数は

f("supercalifragilisticexpialidocious")f(\text{"supercalifragilisticexpialidocious"})

と書けます。

ここが大事なところです。
まだ具体的な数字を書いていなくても、こう書いた時点で

「その単語の文字数を数えた結果」

を表しています。

つまり f( )f(\ ) という形は、途中の記号ではなく、

結果そのものを表すための書き方

なのです。自分で今すぐ数えなくてもかまいません。

練習問題

問題

ff を「入れた言葉の文字数を返す関数」とする。
実際に数えずに、"abcdefg" が何文字かを ff を用いて表せ。

▶解答を見る

f("abcdefg")f(\text{"abcdefg"}) 文字

05

数を入れても考え方は同じ

今度は、数を入力する関数を考えます。

「入力した数に 1 を足して返す関数」

を、同じく ff と書くことにします。

  • f(1)=1+1=2f(1) = 1 + 1 = 2
  • f(2)=2+1=3f(2) = 2 + 1 = 3
  • f(3)=3+1=4f(3) = 3 + 1 = 4

ここでも見方は変わりません。

入力 → ルール → 出力

という構造になっています。

言葉のときの f("hello")=5f(\text{"hello"}) = 5 と、数のときの f(2)=3f(2) = 3。
ルールの中身は違いますが、共通しているのは、

何かを入力し、決まったルールにしたがって結果を返している

ということです。

だから関数は、最初から「計算の式」と考えるよりも、変換の仕組み として理解したほうが、本質が見えやすくなります。

練習問題

問題

この ff が「入力した数に 1 を足して返す関数」であるとき、f(4)f(4) の値を求めよ。

▶解答を見る

5

06

式として書くと f(x)f(x) になる

先ほどの「入力した数に 1 を足して返す関数」を、式で書いてみます。

f(x)=x+1f(x) = x + 1

ここで xx は、入力する数を表しています。

使う文字は必ずしも xx である必要はありません。
それでも xx がよく使われるのは、デカルトが使った文字の使い分けが、そのまま慣習として残っているからです。

たとえば x=2x = 2 のとき、

f(2)=2+1=3f(2) = 2 + 1 = 3

となります。

つまり f(x)=x+1f(x) = x + 1 という式は、

「xx を入力すると、x+1x + 1 を返す」

というルールを書き表したものです。

練習問題

問題

f(x)=x+1f(x) = x + 1 のとき、f(5)f(5) の値を求めよ。

▶解答を見る

6

07

少し先の見方:関数は結果をひとまとまりで表せる

「f( )f(\ ) は結果そのものを表す」という見方は、式が複雑になったときに特に役立ちます。

たとえば、次のような関数を考えてみます。

f(x)=(x2+1)(x+3)f(x)=(x^2+1)(x+3)

中学校でこのままの形が出てくることはありません。
ただ、少し複雑な式をあえて見ると、関数をどう見ればよいかがはっきりします。

この式を見たとき、多くの人はまず

「うわ、計算が大変そうだ」

と思うはずです。その反応で大丈夫です。

ここで大事なのは、その場ですぐ全部を計算することではありません。

たとえば、この関数の x=3x=3 のときの値が分かれば、その先の道筋が見えそうだとします。
そのときは、無理にすぐ計算しなくても、

f(3)f(3)

と書いておけばよいのです。

f(3)f(3) は、まだ具体的な数に直していなくても、

「3 をこの関数に入れた結果」

を表しています。

つまり、

とりあえず f(3)f(3) とおいて、先に全体の流れを考える

という進み方ができます。

数学では、この考え方がとても大切です。

問題が複雑になるほど、細かい計算をそのたびに全部やろうとすると、

  • 今必要なものは何か
  • それが答えとどうつながるのか
  • 全体としてどんな流れになっているのか

が見えにくくなってしまいます。

必要な結果を f(3)f(3) のようにひとまとまりで表しておけば、先に全体を見ることができます。

細かい計算はいったん脇に置いて、まず全体を見る。
枝葉ではなく、幹を見る。

関数は、そのためにも使える道具なのです。

08

中学の関数シリーズ

この記事は、中学の関数シリーズの1本目です。

関数の考え方が見えてきたら、次は 関数の値 に進むと、ff、f(x)f(x)、y=f(x)y=f(x) の違いを整理しやすくなります。

シリーズ全体は、次の順番で読めます。

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