数学
2026.04.08

変化の割合|中学の関数 #05

前の記事では、関数の対応を xy平面上の点として表し、グラフとして見る考え方を見ました。

特に断りがない場合、このあとも関数は ff とし、入力 xx と出力 yy の対応を y=f(x)y=f(x) で表し、グラフは xy平面で考えます。

関数では、入力を変えると、それに対応する結果も変わります。
この記事では、その変わり方を数で表す 変化の割合 を見ていきます。

01

変化の割合とは何か

関数では、入力を変えると、それに対応する出力も変わります。

このとき、入力が 1 増えたときの、出力の増加量 を変化の割合といいます。

y=f(x)y=f(x) の対応で考えると、xx が 1 増えたときの yy の増加量 が変化の割合です。

さて、具体的に見ていきましょう。

たとえば、

f(x)=2xf(x)=2x

を考えます。

x=0x=0 のとき、

f(0)=0f(0)=0

また、x=1x=1 のとき、

f(1)=2f(1)=2

となります。

したがって、xx、yy の変化量はそれぞれ

1−0=11-0=1 f(1)−f(0)=2−0=2f(1)-f(0)=2-0=2

です。

関数 f(x)=2x で点 (0,0) と点 (1,2) の変化を矢印で示した図

つまり、xx が 1 増えたとき、yy は 2 増えます。

xx が 1 増えたときの yy の増加量が変化の割合ですから、

x=0x=0 から x=1x=1 までの変化の割合は

22

となります。

練習問題

問題

f(x)=3x+1f(x)=3x+1

について、x=0x=0 から x=1x=1 までの変化の割合を求めよ。

▶解答を見る
f(0)=3×0+1=1f(0)=3\times 0+1=1 f(1)=3×1+1=4f(1)=3\times 1+1=4

より、xx、yy の変化量はそれぞれ

1−0=11-0=1 f(1)−f(0)=4−1=3f(1)-f(0)=4-1=3

したがって、xx が 1 増えたとき、yy は 3 増える。

よって、x=0x=0 から x=1x=1 までの変化の割合は

33
02

変化量とは何か

変化の割合を考えるには、まず 変化量 をはっきりさせる必要があります。

変化量とは、あと − まえ で求める量です。

xx が x1x_1 から x2x_2 に変わるとき、xx の変化量は

x2−x1x_2-x_1

です。

同じように、yy が y1y_1 から y2y_2 に変わるとき、yy の変化量は

y2−y1y_2-y_1

です。

ここで大切なのは、引く順番をそろえることです。

xx で「あと − まえ」にしたなら、yy でも「あと − まえ」にそろえます。

順番がずれると、符号が合わなくなり、正しい変化の割合になりません。

たとえば、xx が 1 から 4 に変わり、yy が 7 から 1 に変わるなら、

xの変化量=4−1=3x の変化量 = 4-1=3 yの変化量=1−7=−6y の変化量 = 1-7=-6

です。

このとき、yy は増えたのではなく、減っています。
そのため、yy の変化量は負になります。

練習問題

問題

xx が -2 から 3 に変わるとき、yy が 5 から -5 に変わるとする。
xx の変化量と yy の変化量をそれぞれ求めよ。

▶解答を見る

xx の変化量は

3−(−2)=53-(-2)=5

yy の変化量は

−5−5=−10-5-5=-10
03

2点がわかると、変化の割合がわかる

前の節では、変化の割合を、xx が 1 増えたときの yy の増加量として見ました。

たとえば、

f(x)=2xf(x)=2x

では、x=0x=0 のとき

f(0)=0f(0)=0

であり、x=1x=1 のとき

f(1)=2f(1)=2

です。

したがって、xx、yy の変化量はそれぞれ

1−0=11-0=1 f(1)−f(0)=2−0=2f(1)-f(0)=2-0=2

です。

つまり、xx が 1 増えたとき、yy は 2 増えます。

xx が 1 増えたときの yy の増加量が変化の割合ですから、x=0x=0 から x=1x=1 までの変化の割合は

22

です。

このように、変化の割合は、ある区間で xx がどれだけ増え、それに対応して yy がどれだけ増えるかがわかれば求められます。

次に、f(x)f(x) の式がわからない場合を見てみましょう。
その代わり、グラフが点 A(−2,−1)A(-2,-1)、B(3,4)B(3,4) を通っているとします。

ここで、点 AA から xx 軸に平行な直線を引き、点 BB から yy 軸に平行な直線を引きます。
この2本の直線の交点を CC とします。

xx 軸と yy 軸は垂直なので、三角形 ABCABC は直角三角形になります。

ACAC の長さは、xx 座標を見ればわかります。

AC=3−(−2)=5AC=3-(-2)=5

です。

また、BCBC の長さは、yy 座標を見ればわかります。

BC=4−(−1)=5BC=4-(-1)=5

です。

点 A(-2,-1)、B(3,4) を通り、交点 C を作って AC=5、BC=5 を示す直角三角形の図

したがって、xx が 5 増えたとき、yy も 5 増えています。

ここで知りたいのは、xx が 1 増えたときの yy の増加量です。

xx が 5 増えたときに yy も 5 増えるのですから、xx が 1 増えたときには yy は 1 増えます。

したがって、x=−2x=-2 から x=3x=3 までの変化の割合は

11

です。

次に、これを一般化して考えてみます。

y=f(x)y=f(x) のグラフが、2点

A(x1,f(x1)),B(x2,f(x2))A(x_1,f(x_1)),\quad B(x_2,f(x_2))

を通っているとします。

このとき、xx は

x2−x1x_2-x_1

増えています。

それに対応して、yy は

f(x2)−f(x1)f(x_2)-f(x_1)

増えています。

関数 y=f(x) のグラフ上に 2 点 A(x\_1,f(x\_1))、B(x\_2,f(x\_2)) を示し、変化の割合を一般化するための図

ここで知りたいのは、xx が 1 増えたときの yy の増加量です。

いま見ているのは、xx が

x2−x1x_2-x_1

増えた場合です。
そこで、xx の増え方を 1 にそろえることを考えます。

x2−x1x_2-x_1 にその逆数

1x2−x1\frac{1}{x_2-x_1}

をかけると、

(x2−x1)⋅1x2−x1=1(x_2-x_1)\cdot \frac{1}{x_2-x_1}=1

となります。

xx の増え方だけでなく、それに対応する yy の増加量にも同じように

1x2−x1\frac{1}{x_2-x_1}

をかけると、

(f(x2)−f(x1))⋅1x2−x1=f(x2)−f(x1)x2−x1\left(f(x_2)-f(x_1)\right)\cdot \frac{1}{x_2-x_1} = \frac{f(x_2)-f(x_1)}{x_2-x_1}

となります。

したがって、x1x_1 から x2x_2 までの変化の割合は

f(x2)−f(x1)x2−x1\frac{f(x_2)-f(x_1)}{x_2-x_1}

です。

また、分子と分母をそれぞれ同時に符号反転しても値は変わらないので、

f(x1)−f(x2)x1−x2\frac{f(x_1)-f(x_2)}{x_1-x_2}

と書いても同じです。

練習問題

問題

y=f(x)y=f(x) のグラフが、2点

(1,2),(5,10)(1,2),\quad (5,10)

を通っているとする。
このとき、x=1x=1 から x=5x=5 までの変化の割合を求めよ。

▶解答を見る

より、xx、yy の変化量はそれぞれ

5−1=45-1=4 10−2=810-2=8

である。

したがって、変化の割合は

84=2\frac{8}{4}=2

学校で習う形とのつながり

学校では、おそらく

y2−y1x2−x1\frac{y_2-y_1}{x_2-x_1}

と習うでしょう。

これは、y=f(x)y=f(x) において、2点 (x1,y1)(x_1,y_1)、(x2,y2)(x_2,y_2) の間で見た、xx が 1 増えたときの yy の増加量を表す式です。

問題

2点 (1,2)(1,2)、(5,10)(5,10) の間の変化の割合を求めよ。

▶解答を見る

より、xx、yy の変化量はそれぞれ

5−1=45-1=4 10−2=810-2=8

である。

したがって、変化の割合は

84=2\frac{8}{4}=2
04

一次関数では、変化の割合が一定になる

ここまで見てきた変化の割合を、一次関数で考えてみましょう。

たとえば、

y=2x+1y=2x+1

を考えます。

x=0,1,3x=0,1,3 のときの値を調べると、

xx013
yy137

となります。

まず、(0,1)(0,1) と (1,3)(1,3) の間では、

3−11−0=21=2\frac{3-1}{1-0}=\frac{2}{1}=2

です。

次に、(1,3)(1,3) と (3,7)(3,7) の間では、

7−33−1=42=2\frac{7-3}{3-1}=\frac{4}{2}=2

です。

どちらも 2 になっています。

このように、一次関数では、どの異なる2点を取っても変化の割合が同じになります。

直線 y=2x+1 の上に点 (0,1)、(1,3)、(3,7) を示し、どの区間でも変化の割合が 2 になることをベクトル補助で示した図

では、これを一般に考えてみます。

一次関数

f(x)=ax+bf(x)=ax+b

を考えます。

xx が x1x_1 から x2x_2 に変わるとき、それぞれの yy の値は

y1=f(x1)=ax1+by_1=f(x_1)=ax_1+b y2=f(x2)=ax2+by_2=f(x_2)=ax_2+b

です。

したがって、yy の増加量は

y2−y1=f(x2)−f(x1)=(ax2+b)−(ax1+b)y_2-y_1=f(x_2)-f(x_1)=(ax_2+b)-(ax_1+b) =ax2+b−ax1−b= ax_2+b-ax_1-b =a(x2−x1)= a(x_2-x_1)

となります。

よって、変化の割合は

f(x2)−f(x1)x2−x1=a(x2−x1)x2−x1=a\frac{f(x_2)-f(x_1)}{x_2-x_1} = \frac{a(x_2-x_1)}{x_2-x_1} =a

です。

つまり、一次関数 f(x)=ax+bf(x)=ax+b では、変化の割合はいつでも

aa

になります。

また、この一次関数の変化の割合は、傾きともいいます。

練習問題

問題1

f(x)=−3x+2f(x)=-3x+2

について、x=0,1,3x=0,1,3 のときの値を求め、
(0,f(0))(0,f(0)) と (1,f(1))(1,f(1)) の間、(1,f(1))(1,f(1)) と (3,f(3))(3,f(3)) の間の変化の割合をそれぞれ求めよ。

▶解答を見る

まず、値は

xxf(x)f(x)
0f(0)=−3×0+2=2f(0)=-3\times 0+2=2
1f(1)=−3×1+2=−1f(1)=-3\times 1+2=-1
3f(3)=−3×3+2=−7f(3)=-3\times 3+2=-7

である。

(0,2)(0,2) と (1,−1)(1,-1) の間の変化の割合は

−1−21−0=−3\frac{-1-2}{1-0}=-3

(1,−1)(1,-1) と (3,−7)(3,-7) の間の変化の割合は

−7−(−1)3−1=−62=−3\frac{-7-(-1)}{3-1}=\frac{-6}{2}=-3

どちらも -3 となる。

問題2

次の一次関数について、変化の割合を答えよ。

(1) f(x)=4x−1f(x)=4x-1

(2) f(x)=−2x+5f(x)=-2x+5

(3) f(x)=13x+7f(x)=\frac{1}{3}x+7

▶解答を見る

(1) 4

(2) -2

(3) 13\frac{1}{3}

問題3

f(x)=ax+bf(x)=ax+b

において、aa を一次関数の変化の割合、または__という。

▶解答を見る

傾き

05

グラフの見た目と変化の割合は対応している

変化の割合を見ると、グラフのおおまかな見え方もわかります。

  • 変化の割合が正なら、右に行くほど上がる
  • 変化の割合が負なら、右に行くほど下がる
  • 変化の割合の絶対値が大きいほど、変わり方が急になる

たとえば、

y=xy=x

より

y=3xy=3x

のほうが、xx が 1 増えたときの yy の増え方が大きいので、より急に上がるグラフになります。

また、

y=−xy=-x

は右に行くほど下がるグラフになります。

直線 y=x、y=3x、y=-x を同じ xy平面上に描き、変化の割合の正負と大きさの違いが見える図

このように、変化の割合は、ただの計算結果ではなく、グラフの傾き方を数で表したもの として見ることができます。

練習問題

問題

次の一次関数について、グラフが右に行くほど上がるか、下がるか答えよ。

(1) y=2x+1y=2x+1

(2) y=−4x+3y=-4x+3

(3) y=12x−2y=\frac{1}{2}x-2

▶解答を見る

(1) 上がる

(2) 下がる

(3) 上がる

06

中学の関数シリーズ

この記事は、中学の関数シリーズの5本目です。

前の記事では、一次関数のグラフ で、関数の対応を xy平面上の点として表し、グラフとして見る考え方を見ました。
この記事では、そのグラフをもとに、xx と yy の変わり方を数で表す変化の割合を見ました。

シリーズ全体は、次の順番で読めます。

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