子どもからスマホやゲームを取り上げる前に考えてほしいこと
「ゲームばかりしている」
「スマホを見てばかりで、全然勉強しない」
そうなると、制限したくなるのは自然です。特に、成績が下がっていたり、不登校が続いていたりすると、不安はかなり強くなります。
ただ、そこは少し慎重に考えたいところです。
10代は、親に強く依存している
10代の子どもは、住む場所、食事、お金、通信手段を自力で確保できません。
その状態で、突然の没収、無期限の禁止、スクリーンタイム常時監視、通信遮断を行うと、親としては指導のつもりでも、子ども側には「自分ではどうにもできない」と感じられることがあります。
特に、解除条件が曖昧だったり、親の感情で変わったりすると、「自分にはコントロール権がない」感覚が強くなります。
子どもは「改善」ではなく「防御」に入る
親側は「立て直したい」と思っている。
でも子ども側からすると、「この人は、その気になれば自分の生活を壊せる」と感じてしまうことがあります。
すると行動が変わります。隠す。嘘をつく。深夜にやる。別端末を使う。顔色を読む。表面だけ合わせる。
「改善」ではなく、「怒られないための行動」になってしまう。
特に、関係が悪化している家庭ほど、制限を強くする→隠す→さらに監視する、という悪循環に入りやすいです。
実際に見てきたケース
スクリーンタイム監視、常時制限、強い没収によって、家庭関係がかなり悪化しているケースを見てきました。
泣きながら駆け込んできた生徒がいました。「スマホやPCを使わせてほしい」と頼まれたこともあります。警察や児童相談所に連絡が入ったケースもあります。
テストの点数で怒鳴る、椅子を蹴る、家庭が常に緊張状態、という家庭も見てきました。
その多くで結果的に起きていたのは、孤立、隠蔽、無気力、家庭不信でした。
少なくとも、締め付けだけで立て直すのはかなり難しいと感じています。
どうしても制限するなら、条件を設計する
没収や全面禁止は、できれば避けた方がいい。
ただ、どうしても制限が必要な場合は、最低限これだけは意識したいところです。
まず、理由を伝える
「心配だから」だけでは伝わりません。何が問題で、何を変えてほしいのかを具体的に伝える。このとき、「親自身もしんどい」という状態を正直に見せることも大切です。「あなたのことが心配で、自分も余裕がなくなっている」と伝えられると、子どもも「自分だけがつらい」から「親にも感情がある」と受け取りやすくなります。上から指示するより、対等に話す方が動きやすいことがあります。
期間と条件を、最初に決めておく
「無期限」は避ける。「○○ができたら戻す」を最初に決める。解除条件が見えない制限は、子ども側に強い不安として残りやすいです。
本人の行動で、戻せる形にする
「英単語を10個覚えたら、あとは自由」「ワークを2ページ終えたら、今日はそこまで」のように、時間ではなく達成条件で決める方がうまくいくことがあります。
親としては1時間くらいを想定していても、実際には40分ほどで終わるくらいの量がちょうどいいです。早く終われば、子ども側には「自分でうまく終わらせた」という感覚が残ります。これは、ただ時間だけ座らせるよりずっと健全です。
毎日機械的に運用しすぎない
最近頑張れているなら「今日は休んでいい」と言える余地を残す。逆に、乱れが続くようなら「きちっとやって権利を獲得しよう」と締める。
「親に取り上げられた」ではなく、「自分がやることをやったから手に入れられた」と感じられること。この感覚が、自分の行動で状況を変えられるという自信につながります。
親の役割は、「管理者」ではなく「安心の土台」
学力を立て直せたケースほど、一緒にご飯を食べる、リビングに出てくる、家族で雑談する、といった「普通の時間」が残っていることが多いです。
勉強を立て直すときに必要なのは、恐怖で縛ることではありません。安心できる土台を残しながら、設計することです。
保護者自身も、完璧にやろうとする必要はありません。まず現状を整理するところから始めれば十分です。
勉強の緊張、外に出してみませんか
実際には、「どこまで制限するべきか分からない」という相談も多いです。
家庭教師かわむらは、尼崎・西宮・伊丹・芦屋を中心に、スマホやゲームをめぐる学習不安・不登校・学校不適応など、家庭での勉強の立て直しに対応しています。まず、現状を聞かせてください。