変化の割合|中学の関数 #05
前の記事では、関数の対応を xy平面上の点として表し、グラフとして見る考え方を見ました。
特に断りがない場合、このあとも関数は とし、入力 と出力 の対応を で表し、グラフは xy平面で考えます。
関数では、入力を変えると、それに対応する結果も変わります。
この記事では、その変わり方を数で表す 変化の割合 を見ていきます。
変化の割合とは何か
関数では、入力を変えると、それに対応する出力も変わります。
このとき、入力が 1 増えたときの、出力の増加量 を変化の割合といいます。
の対応で考えると、 が 1 増えたときの の増加量 が変化の割合です。
さて、具体的に見ていきましょう。
たとえば、
を考えます。
のとき、
また、 のとき、
となります。
したがって、、 の変化量はそれぞれ
です。

つまり、 が 1 増えたとき、 は 2 増えます。
が 1 増えたときの の増加量が変化の割合ですから、
から までの変化の割合は
となります。
練習問題
問題
について、 から までの変化の割合を求めよ。
▶解答を見る
より、、 の変化量はそれぞれ
したがって、 が 1 増えたとき、 は 3 増える。
よって、 から までの変化の割合は
変化量とは何か
変化の割合を考えるには、まず 変化量 をはっきりさせる必要があります。
変化量とは、あと − まえ で求める量です。
が から に変わるとき、 の変化量は
です。
同じように、 が から に変わるとき、 の変化量は
です。
ここで大切なのは、引く順番をそろえることです。
で「あと − まえ」にしたなら、 でも「あと − まえ」にそろえます。
順番がずれると、符号が合わなくなり、正しい変化の割合になりません。
たとえば、 が 1 から 4 に変わり、 が 7 から 1 に変わるなら、
です。
このとき、 は増えたのではなく、減っています。
そのため、 の変化量は負になります。
練習問題
問題
が -2 から 3 に変わるとき、 が 5 から -5 に変わるとする。
の変化量と の変化量をそれぞれ求めよ。
▶解答を見る
の変化量は
の変化量は
2点がわかると、変化の割合がわかる
前の節では、変化の割合を、 が 1 増えたときの の増加量として見ました。
たとえば、
では、 のとき
であり、 のとき
です。
したがって、、 の変化量はそれぞれ
です。
つまり、 が 1 増えたとき、 は 2 増えます。
が 1 増えたときの の増加量が変化の割合ですから、 から までの変化の割合は
です。
このように、変化の割合は、ある区間で がどれだけ増え、それに対応して がどれだけ増えるかがわかれば求められます。
次に、 の式がわからない場合を見てみましょう。
その代わり、グラフが点 、 を通っているとします。
ここで、点 から 軸に平行な直線を引き、点 から 軸に平行な直線を引きます。
この2本の直線の交点を とします。
軸と 軸は垂直なので、三角形 は直角三角形になります。
の長さは、 座標を見ればわかります。
です。
また、 の長さは、 座標を見ればわかります。
です。

したがって、 が 5 増えたとき、 も 5 増えています。
ここで知りたいのは、 が 1 増えたときの の増加量です。
が 5 増えたときに も 5 増えるのですから、 が 1 増えたときには は 1 増えます。
したがって、 から までの変化の割合は
です。
次に、これを一般化して考えてみます。
のグラフが、2点
を通っているとします。
このとき、 は
増えています。
それに対応して、 は
増えています。

ここで知りたいのは、 が 1 増えたときの の増加量です。
いま見ているのは、 が
増えた場合です。
そこで、 の増え方を 1 にそろえることを考えます。
にその逆数
をかけると、
となります。
の増え方だけでなく、それに対応する の増加量にも同じように
をかけると、
となります。
したがって、 から までの変化の割合は
です。
また、分子と分母をそれぞれ同時に符号反転しても値は変わらないので、
と書いても同じです。
練習問題
問題
のグラフが、2点
を通っているとする。
このとき、 から までの変化の割合を求めよ。
▶解答を見る
より、、 の変化量はそれぞれ
である。
したがって、変化の割合は
学校で習う形とのつながり
学校では、おそらく
と習うでしょう。
これは、 において、2点 、 の間で見た、 が 1 増えたときの の増加量を表す式です。
問題
2点 、 の間の変化の割合を求めよ。
▶解答を見る
より、、 の変化量はそれぞれ
である。
したがって、変化の割合は
一次関数では、変化の割合が一定になる
ここまで見てきた変化の割合を、一次関数で考えてみましょう。
たとえば、
を考えます。
のときの値を調べると、
| 0 | 1 | 3 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 3 | 7 |
となります。
まず、 と の間では、
です。
次に、 と の間では、
です。
どちらも 2 になっています。
このように、一次関数では、どの異なる2点を取っても変化の割合が同じになります。

では、これを一般に考えてみます。
一次関数
を考えます。
が から に変わるとき、それぞれの の値は
です。
したがって、 の増加量は
となります。
よって、変化の割合は
です。
つまり、一次関数 では、変化の割合はいつでも
になります。
また、この一次関数の変化の割合は、傾きともいいます。
練習問題
問題1
について、 のときの値を求め、
と の間、 と の間の変化の割合をそれぞれ求めよ。
▶解答を見る
まず、値は
| 0 | |
| 1 | |
| 3 |
である。
と の間の変化の割合は
と の間の変化の割合は
どちらも -3 となる。
問題2
次の一次関数について、変化の割合を答えよ。
(1)
(2)
(3)
▶解答を見る
(1) 4
(2) -2
(3)
問題3
において、 を一次関数の変化の割合、または__という。
▶解答を見る
傾き
グラフの見た目と変化の割合は対応している
変化の割合を見ると、グラフのおおまかな見え方もわかります。
- 変化の割合が正なら、右に行くほど上がる
- 変化の割合が負なら、右に行くほど下がる
- 変化の割合の絶対値が大きいほど、変わり方が急になる
たとえば、
より
のほうが、 が 1 増えたときの の増え方が大きいので、より急に上がるグラフになります。
また、
は右に行くほど下がるグラフになります。

このように、変化の割合は、ただの計算結果ではなく、グラフの傾き方を数で表したもの として見ることができます。
練習問題
問題
次の一次関数について、グラフが右に行くほど上がるか、下がるか答えよ。
(1)
(2)
(3)
▶解答を見る
(1) 上がる
(2) 下がる
(3) 上がる
まとめ
変化の割合について、大切な点をまとめます。
- 変化の割合は、 が 1 増えたときの の増加量を表す
- 変化量は、「あと − まえ」で求める
- 2点がわかると、変化の割合は で求められる
- 一次関数では、どの異なる2点を取っても変化の割合が一定になる
- 一次関数 では、変化の割合はいつでも になる
- 一次関数の変化の割合は、傾きともいう
- 変化の割合を見ると、グラフの傾き方もわかる
このように考えると、変化の割合は、
関数の変わり方を数で表したもの だとわかります。