兵庫県第一学区の公立高校 合格ライン・内申点目安
芦屋・神戸の公立高校 合格ライン・内申点目安
兵庫県第一学区
兵庫県第一学区の公立高校について、各校の偏差値・合格ライン・内申・当日点の目安を帯域ごとに一覧にしています。対象は複数志願選抜で、推薦入学や特色選抜、神戸高校総合理学科のような特色学科は含みません。
あわせて2つの見方を載せます。みんなの高校情報などの一般的な偏差値と、第一学区内での相対
位置は違うこと。そして、一般に目安とされる合格ラインは安全圏として高めに置かれていて、
最低ラインではないこと。
この記事では、各高校の合格ラインの下限を予測します。一般の「合格ライン」目安が安全圏寄りに高めなのに対し、ここで出すのは「ここからなら勝負になる」という下限の線です。
以下、データをもとに詳しく見ていきます。
第一学区の公立高校 帯域と合格ライン一覧
第一学区の複数志願校を、1校ずつではなく帯域でまとめて扱います。学校ごとに1点刻みで
合格ラインを出すと精密に見えますが、その差は席数を母数で割ったときの計算上の差に
すぎず、実際の合否では意味を持ちません。同程度の学校はまとめて、帯域として位置を
見ます。
まず、各帯域にどの高校が入るかを示します。
| 帯域 | 高校 |
|---|---|
| A | 神戸・長田・兵庫 |
| B | 星陵 |
| C | 御影・北須磨 |
| D | 夢野台・神戸学園都市・市立葺合 |
| E | 須磨東・県立芦屋 |
| F | 洲本・神戸鈴蘭台・須磨友が丘・舞子・北神戸総合・市立六甲アイランド |
| G | 市立須磨翔風・淡路三原・津名・神戸高塚 |
| H | 東灘・淡路 |
次に、帯域ごとの数値です。偏差値・各下限・予測下限ラインは、いずれもこの記事独自の
ロジックで出した値です。算出方法は後述します。
| 帯域 | 学区内偏差値 | 内申下限/250 | テスト下限/500 | 予測下限ライン/500 |
|---|---|---|---|---|
| A | 63 | 214 | 359 | 414 |
| B | 58 | 208 | 344 | 400 |
| C | 56 | 198 | 323 | 380 |
| D | 53 | 183 | 287 | 347 |
| E | 50 | 176 | 272 | 332 |
| F | 46 | 152 | 214 | 279 |
| G | 40 | 132 | 169 | 237 |
| H | 34 | 115 | 130 | 200 |
偏差値とは
偏差値は、ある集団の中で上から何番目かを点数化したものです。学校そのものに固定された値ではなく、どの集団の中で見るかで動きます。同じ学校でも、全国で見るか、兵庫県で見るか、第一学区で見るかで、数字は変わります。
この記事の偏差値は、第一学区の中での位置です。だから、ふだん模試などで見る数字より
低く出る学校が多くなります。それは、第一学区の中だけで相対化しているからです。
偏差値はどう出したか
最初の帯域分けは、独自調査による見当です。複数の偏差値・合格目安の資料を複合し、指導してきた肌感覚と突き合わせて、おおよそ妥当と思われる位置で学校をグループにまとめて
います。
この帯域に従い、令和8年度の複数志願選抜の定員を上から積み上げます。A帯で880席、
というように帯域ごとに累計していきます。
母数は、複数志願校の第1志望志願者実人数4,888人を使います。
各帯域について、その帯域の中央を代表位置とします。代表位置が4,888人の中で上位何%にあたるかを正規分布で偏差値に戻したものが、表に出す学区内偏差値です。たとえばA帯は、神戸320・長田280・兵庫280で合計880席、4,888人の上位18.0%にあたり、代表偏差値は63になります。
以下は、こうして出した各帯域の代表上位%と代表偏差値です。
| 帯域 | 代表上位% | 代表偏差値 |
|---|---|---|
| A | 18.0% | 63 |
| B | 20.5% | 58 |
| C | 27.2% | 56 |
| D | 39.3% | 53 |
| E | 50.1% | 50 |
| F | 65.7% | 46 |
| G | 82.3% | 40 |
| H | 93.4% | 34 |
みん高偏差値では学区内の位置を取り違える
みんなの高校情報などの偏差値は、どの母集団に対する数字なのかが分かりません。母集団が分からなければ、その偏差値が学力のどのあたりを指すのかも分かりません。
第一学区の受験生が席を争う相手は、学区内の高校だけです。だとすれば本当に知りたいのは、第一学区という正しい母集団の中で、その学校がどのあたりに位置するかです。
母集団を取り違えると、見え方は大きくズレます。葺合、県立芦屋、六甲アイランド、
須磨翔風がその例です。
| 学校名 | みん高偏差値 | みん高 上位% | 学区内 上位% |
|---|---|---|---|
| 市立葺合 | 61 | 14% | 39.3% |
| 県立芦屋 | 57 | 24% | 50.1% |
| 市立六甲アイランド | 54 | 34% | 65.7% |
| 市立須磨翔風 | 52 | 42% | 82.3% |
※みん高 上位%は、みん高偏差値を標準的な偏差値(平均50・標準偏差10)とみなして正規分布換算した目安です。学区内 上位%は、その学校が属する帯域の代表上位%です。
いずれもみん高では上位14〜42%の中堅上位に見えますが、学区内では39〜82%。葺合・
県立芦屋で中位前後、六甲アイランド・須磨翔風にいたっては下から数えた方が早い位置
です。
みん高偏差値をそのまま学力の絶対値として読むと、これらの学校は実際よりかなり上に見えます。
みん高54の六甲アイランドは、みん高53の市立尼崎より上か
みんなの高校情報では、六甲アイランドが54、市立尼崎普通科が53です。この数字だけなら、六甲アイランドがわずかに上に見えます。
しかし、両校を同じものさしに乗せると、見え方が変わります。第二学区も第一学区と同じ
ロジックで相対化しました。すると市立尼崎は第二学区で上位41.8%、ほぼ中位の学校です。一方、六甲アイランドは第一学区でF帯、上位65.7%です。
みん高偏差値をそのまま信じると、こうなります。
第二学区で上位41.8%の市立尼崎より、第一学区で上位65.7%の六甲アイランドの方が
上である。
第一学区で下から数えた方が早い学校が、第二学区で中位の学校より上。これはかなり大きな差を仮定しています。
仮に、第一学区の方が第二学区より学力上位だと認めたとしても、この差は説明できません。第一学区の上位65.7%が第二学区の上位41.8%を上回るには、両学区の間に相当な学力差を
見込む必要があります。第一学区と第二学区は、地理的にも生活圏的にも隣接しています。
第一学区がいくらか上だとしても、居住地の違いだけでここまでの差を仮定するのは無理が
あります。
合格ラインの目安は、安全圏として読む
ここからは、合格ラインの目安そのものの読み方です。
兵庫県公立高校入試では、学校別の合格最低点が公式に開示されていません。その中で各校の目安点を出してくれる資料は、とても貴重です。
そして、目安を出す側が点数を安全側に高めに置くのは、まったく妥当なことです。「この点なら大丈夫」と言われた生徒が落ちるのが、目安としては一番困ります。だから安全マージンを乗せておく。これは誠実な設計で、咎める話ではありません。
ここで押さえておきたいのは、その数字が「最低ライン」ではなく「安全圏」だということ
です。そこまで取れればまず安心、という目標であって、数点下回ったら即不合格という線
ではありません。
実際のボーダーは、もう少し下にありそう
では、安全圏のどのくらい下に実際のボーダーがあるのか。公式の最低点がない以上これも
推定ですが、独自に見積もってみます。この記事の予測下限ラインは、ここで出すものです。
下限位置を起点にする
偏差値はどう出したかでは、帯域の中央から学区内偏差値を出しました。合格ラインの下限は、中央ではなく帯域の末端を起点にします。これを下限位置と呼びます。帯域のいちばん下で受かる人を想定するわけです。この下限位置を正規分布のz値に戻し、当日点と内申の
それぞれの分布に当てはめます。
当日点下限
当日点は、兵庫県教育委員会が公表している学力検査結果を使います。令和8年度の全日制
学力検査は、500点換算で平均282.5点、標準偏差83.5点です。
第一学区平均を県平均より高く補正することはせず、平均はそのまま282.5点と置きます。
当日点下限 = 282.5 + 83.5 × 下限z
これで各帯域のテスト下限が出ます。
内申下限
兵庫県の内申点は250点満点で、5教科評定合計×4+実技4教科評定合計×7.5で計算します。
内申は、当日点と同じ分布では動きません。評定は5段階評価なので、当日点より平均が
高く、散らばりは小さくなると考えるのが自然です。
本来は兵庫県の評定分布を使いたいところですが、兵庫県はこれを公表していません。
やむをえず、評定分布を公表している千葉県のデータを代わりに使います。県が違っても評定の付き方の大きな傾向はそう変わらないだろう、という仮定を置いた上で、千葉県の中3評定分布を兵庫県の250点満点方式へ換算したモデルを採用します。あくまで代替であり、兵庫県の実態とずれる可能性は残ります。
採用する内申モデルは、内申平均181点・内申標準偏差36点です。
内申下限 = 181 + 36 × 下限z
純下限総合
兵庫県は、内申点+当日点÷2の総合点で合否を見ます。各帯域の純下限総合は次の式で
出します。
純下限総合 = 内申下限 + テスト下限 ÷ 2
ただしこれは、内申もテストも同時に下限で置いた値です。かなり攻めた最低ラインで、
そのまま実戦的な合格ラインとして使うには低く出すぎる可能性があります。
予測下限ライン
内申も当日点も下限値で置くと、「下限×下限」のモデルになります。実際の合格者は、内申か当日点のどちらかで補っていることが多いと考えられます。そのため、純下限総合に総合点20点分のマージンを加えます。
予測下限ライン = 純下限総合 + 20
ここまでの計算を各帯域に当てはめると、冒頭で示した次の表になります。
| 帯域 | 学区内偏差値 | 内申下限/250 | テスト下限/500 | 予測下限ライン/500 |
|---|---|---|---|---|
| A | 63 | 214 | 359 | 414 |
| B | 58 | 208 | 344 | 400 |
| C | 56 | 198 | 323 | 380 |
| D | 53 | 183 | 287 | 347 |
| E | 50 | 176 | 272 | 332 |
| F | 46 | 152 | 214 | 279 |
| G | 40 | 132 | 169 | 237 |
| H | 34 | 115 | 130 | 200 |
安全圏の目安との対比
こうして出した予測下限ラインを、一般に出回っている合格ライン目安と並べると、両者の
役割の違いが見えます。
たとえばA帯の予測下限ラインは414点です。これは安全圏ではありませんが、A帯880席の
ボーダー勝負としては十分に現実味があります。一般の目安は、これより十数点高い安全圏
寄りの数字になります。
数点足りなくても、諦めなくていい
この幅が意味するのは、目安に少し届かなくても勝負にはなる、ということです。
模試の点が一般の合格ライン目安に十数点届かなくても、その目安は安全圏寄りに高めの数字です。安全圏に届いていないだけで、予測下限ライン、つまりボーダーには手が届いている
可能性があります。目安に少し足りないだけで早々に諦める必要はありません。
合格ラインは1つの数字で決まるものではありません。内申が高ければ当日点は低くても勝負になり、内申が低ければ当日点で取り返す必要があります。本モデルは、その前提の上で、
各帯域の「ここからなら勝負になる」という下限を予測するものです。
もちろん、安全圏まで取れるならそれに越したことはありません。ただ、安全圏に数点
足りないことを、不合格の宣告のように受け取らなくていい。目安は最低ラインではなく、
安全マージンを乗せた目標だからです。
ちょっと背伸びして頑張りたい方へ
ここまで偏差値だの合格ラインだのを散々こねくり回してきましたが、結局のところ、数字をどう読んでも、点が取れなければ受かりません。
「六甲アイランドは思ったより下位だった」「合格ラインは少し高めかも」と分かったところで、じゃあ明日からやるかというと、やらない。知ってます。
一人だとやらないんです。ダイエットと一緒です。
私がやっているのは、その「やる時間を外から作る」ことです。横に座って、どこで詰まっているかを一緒に分解して、必要な量まで進める。それだけです。派手なことはしません。
今の内申と点数を持ってきてくれれば、この記事の数字を使って、どの高校が現実的で、何をどれだけやればいいかを一緒に整理します。あとはやるだけの状態にして、ちゃんと隣で
やらせます。
まずはLINEで、学年と、気になっている教科と、直近のテストの点数を送ってください。
それだけで大丈夫です。
著者紹介

川村克馬
30歳 / 男性 / 指導歴8年
尼崎市・西宮市・芦屋市で活動
知識を教えることより、考え方・進め方・立て直し方まで一緒に整えることを大切にしています。 何ができていて、どこで止まっているのかを見ながら、やることを整理し、実行と振り返りを 重ねていきます。生徒がひとりで抱え込まず、自分で勉強を前に進められる状態をつくることを 目指しています。